リフォーム時の長屋柱抜き事例
依頼者の方は、長屋の1軒で飲食店を営んでいましたが、隣が空いたので、その1軒分を購入し、店舗を拡張することにしました。ところが、その施工がずさんであるために代金の支払を保留していました。それで、施工業者から工事代金を請求する訴訟を申し立てられたのです。
現地を見分してびっくりしたのは、元の部分と買い増しした部分の間の柱、壁が全部取り壊されていたことです。長屋の場合、柱や筋違で建物強度を確保してありますので、それを撤去すると建物強度が著しく低下します。その補強として鉄骨が組まれていたのですが、その組み方も基礎への接合も問題がありました。構造専門の建築士にも調査してもらいましたが、建物強度を回復するには相当な費用が必要でした。
施工不備にとどまらない、構造上の欠陥があったのです。 裁判では、この点を主張し、修補費用を控除した残金を支払うことで解決しました。
リフォーム工事では、建築確認が取られなかったり、建築士が設計しないことが多く、構造上の問題がある場合が少なくありません。 リフォームでも、建築士に依頼してきちんとした設計をしてもらうことが大切です。