建築会社が起訴された!
Xは、マイホームを建てるため、Y社にマイホーム建築を依頼しました。
ところが、建築工事の着工前に、Y社が刑事事件で起訴されたのです。
家を建てる費用も高いですし、不具合があればアフターメンテナンスもしてもらわなくてはなりませんので、Xさんは、Y社に任せられるか心配になりました。
そこで、担当者に、事件のこと、今後の対応について問合せました。
ところが、担当者は、謝罪をすることもなく、Y社との建築の契約をいったん取りやめて、下請業者と契約し直してほしいと言い出したのです。
Xさんは、担当者の対応に大変驚き、Y社に強い不信感を抱くに至りました。そして、Y社には家を建ててもらいたくないと思い、建築契約の解除を申し入れました。
これに対し、Y社は、契約を解除するなら、契約で定められている違約金を支払えと言ってきたのです。
このようなY社の対応に疑問を感じ、Xさんは当事務所の建築法務部へ相談されました。
違約金を減額し合意解決
Xさんからの依頼を受け、当事務所弁護士が改めてY社に契約を解除することを伝えたところ、Y社はあくまで、契約書通りの違約金の支払を主張してきました。
その後、Y社との折衝を重ねる中で、Y社も譲歩の姿勢を示し、最終的には、違約金の額をかなり減額した解決金を支払って解除することで合意できました。
今回の紛争は、Y社が企業としての法令遵守の姿勢が欠如していたことに端を発しており、Xさんに責任がないことは明白でした。それなのに契約を解除するために解決金を支払うというのは、Xさんにはつらい決断でした。
しかし、法律上、違約金を支払わずに解除することができるためには、Y社が家を建て、アフターサービスを提供し続ける能力を失ったことが必要となります。そして、その能力が欠けているということを立証しなければならないのはXさんの側であり、その立証はなかなか困難です。
裁判を選択して敗訴することになれば、契約書どおりの違約金に加えて遅延損害金の支払いもしなければなりません。このようなリスクも考えると、減額された解決金の支払でY社との建築請負契約を解消できたことは良かったのではないかと考えております。Xさんは、念願のマイホーム建築のため、再度スタートを切られています。